ウクライナ戦争について書かれているブログを読むと、日本人には親ロシア派が多いようである。「ロシアを悪者にするメディアや世論は気持ち悪い」とか「ウクライナがロシアの侵攻を受けたのは自己責任だ」といった主張である。もっとも、ウクライナの民間人が死んでいることが誰の自己責任なのか、ロシアはなぜ悪くないのかについては、納得できるような主張は見当たらないようだ(ムキになって探す気もないが)。
もっとも、「ロシアにはロシアの立場や正義があるのだから、ウクライナ侵攻もやむを得ないのであって、だから、ロシアを一方的に非難するのはおかしい」という論調は見かける。日本人にはこういう論調が受けるようだが、普通に考えれば、奇妙な論調ということにならないだろうか。
たとえば、昭和16年に始まった日米戦争は(ちなみに、真珠湾攻撃の前に、アメリカのフライング・タイガースによる日本軍攻撃が開始されていた)、戦争などやりたくもない日本が、戦争狂のルーズベルトの罠に嵌って始めさせられた戦争だった。資源のない日本に対して、アメリカはABCD包囲網などにより兵糧攻めを仕掛けてきたわけだが、決定的だったのは石油の禁輸措置だった。戦艦も航空機も石油がなければ動かない。日本の石油備蓄がゼロになってから戦争を仕掛けられたのでは、日本は戦うこともできないまま一方的に滅ぼされてしまう。恐怖に駆られた日本は、勝てるはずのない戦争に踏み切らざるを得なかった。
こういうことを書くと、多くの日本人は半狂乱で反論するだろう。「太平洋戦争は日本が世界征服を目指した侵略戦争だ」とか、「日本の軍国主義が第二次世界大戦を引き起こし、世界中の人々に悲惨な戦禍をもたらした」といった主張であり、「歴史の教科書に、太平洋戦争は日本の侵略戦争だったと書いてある」というのもある。教科書に嘘は書かれていないという根拠のない主張であり、昭和天皇や東条英機首相が、戦争回避に尽力したことは徹底的に無視するのである。
しかし、「日本の戦争は自衛戦争だった」と証言したのは、アメリカのフーバー元大統領や、日本人が神のごとく崇拝していたマッカーサー元帥である。日本に対する憎悪に凝り固まっていたマッカーサー元帥でさえ認めざるを得なかった事実を、反日派の日本人はなぜ無視できるのだろうか。これは理解不能としか言えないのだが、その異常な自虐性ゆえと考えるべきなのか、あるいは「最初に反日ありき」であり、真実には興味がないということなのだろうか。
で、そういう人たちに限って、日本の立場や正義を認めようとはしないのに、ウクライナに侵攻したロシアの立場や正義は擁護する。単に、ロシアやシナが好きで、ウクライナやアメリカや日本が嫌いなだけなのかもしれないが、その深層心理を探ってみたい気はする。もちろん、自国民が義勇軍に志願することを容認したデンマークや、ウクライナに対する武器供与を決定したスウェーデンも非難するのだろうが、その理由・根拠を聴いてみたいものである。とは言え、どうせロシアにはロシアの立場や正義があるが、デンマークやスウェーデンには、立場や正義はないということなのだろう。
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