2019年10月

神戸市立東須磨小学校いじめ事件

神戸市立東須磨小学校の教員4人が、後輩の教員にいじめを繰り返していた事件が世間を騒がせている。というより戦慄させていると言うべきか。生徒間ではなく教員間のいじめということもあるが、その過激な現場が動画に撮影されて拡散されたことで、より世間の耳目を集めることになったのだろう。いじめ自体も猟奇的な印象だが、動画の拡散は、外食店で悪さをしてその動画を投稿して喜ぶ悪ガキの行為と同様のもので、教員たちがやっていたことで、いよいよ猟奇的な印象を与えるようになったのだろう。

 

 件の事件は、一人の女帝教員とその取り巻きである3人の男性教員の仕業だそうだが、中国の文化大革命末期に暗躍した4人組を連想させるような構成である。4人がどのような関係だったのかは不明だが、女帝教員は4人組の中だけではなく、全教員のリーダー的存在だったらしい。しかも、優秀な教員として先代校長が引き抜いた人材だというから恐れ入る。彼らは、いじめの理由として「自分が面白ければよかった」「それほど嫌がっているとは思わなかった」などと言っているそうだが、もし、ベトナム戦争のような戦争に従軍したら、韓国軍の兵士たちのように虐殺や強姦を楽しむことだろう。要するに、生まれながらのサディストであるという印象を免れないのである。いじめ動画を撮影して喜ぶだけでなく、いじめにより快感を味わっていたことを、面白可笑しく生徒たちに言って聴かせていたそうである。おまけに、女帝教員は生徒たちに「反抗して(被害教員の)学級をつぶしたれ」などと言っていたそうだから、私の想像もあながち的外れではないと思われる。

 

 ちなみに、ネット上では現在の校長に対する非難も多い。それもそのはずで、校長は、見るに見かねた同僚教員たちの報告を聴きながら、4人組に口頭で注意しただけで済ませ、教育委員会には「教員間のトラブルがあったが解決した」と報告していたそうである。要するに事件を隠蔽したのであり、いじめは被害教員が休職するまで続けられていたそうだから、校長も共犯だとの非難も可能なように思われる。なお、女帝教員を恐れる余り、しばらくは傍観していた同僚教員たちも処罰すべきだという意見がネット上にあるが、これはさすがに無理だろう。もちろん道義的に非難することは可能だが、法的処罰の対象にはできないだろうし、すべきでもないと思われる。同僚教員たちに被害教員に対する保護責任があるわけではなく、おそらくは報告義務を定めたルールもないだろう。本人たちが恐れたとおり、報告したがために自分たちがいじめの対象になっていたのかもしれないのである(女帝教員がいじめのターゲットを決定していたそうだ)。教育現場はまるで伏魔殿であり、生徒間のいじめや被害生徒の自殺が後を絶たないのも頷けるところである。

 

 今回の事件は、被害教員にとっては極めて悲惨な事件であり同情の念を禁じ得ないが、教育現場の荒廃や教員の実態を広く世間に知らしめた点だけは怪我の功名かもしれない。日本では、教職=聖職のような発想は根強く残っているようで、パワハラ教員やセクハラ教員の実態に無意識に目をつぶってきたフシがあるからである。不祥事があっても、問題教員に臨時の有給休暇を与えてほとぼりを冷まし、何食わぬ顔で他校へ異動させることで幕を引くという悪習が続いていたように思う。今回の事件も、本来ならそのような経緯を辿るはずだったのだろうが、これだけ注目されると無罪放免に近い処分では済まなくなりそうな気がする。教育現場の闇を暴くきっかけになれば幸いである。もっとも、第三者だからこそ言えるお気楽な感想には違いないのだが。

 

 ところで、このブログでは、今までもいじめ問題を取り上げてきた。その中で、教育現場の荒廃は教員の劣化であることを論じてきた。そして、教育現場におけるいじめは、教員が始めたものであるということも繰り返し論じてきた。仄聞するところでは、その昔、自衛隊を目の敵にする左翼教員は、クラスに自衛隊員の子弟がいると、「あの子の父親は人殺しだ」などと言って、他の生徒たちの前で公然と非難したそうである。そして、教室で立たせたままにして、自衛隊員の子供はいじめても良いという雰囲気をつくっていたそうである。YouTubeの動画にそういう子供だったという投稿者の動画があったが(真偽のほどは不明だが、おそらく真実だろうと思う)、その投稿者氏が小学生時代の話で、給食当番のときに先生の分を盛り付けて持って行ったら、「人殺しの子が盛り付けたものが食えるか!」と罵倒されたそうである。かつてはそういう教員がいたという話も、今回の事件を知れば、ありそうな話だと納得できるのではないだろうか。なお、後年の東日本大震災のとき、件の教員も被災し、避難所で自衛隊員の給仕による食事をしていたそうである。その現場に居合わせた投稿者氏が、子供の頃の恨みつらみと、自衛隊員の子であることを誇りにしている旨を満座の中で言ってやったら、その教員は村八分になったそうである。

 

 で、クドクドと思いつくことを書き連ねてきたが、今回の4人組には何としても厳しい処分を下してほしいと切に思う。メディアはいじめと軽く書くが、その実態は、激辛カレーを目にこすり付ける(普通の日本人には、ここまでできないと思う。私が猟奇的と思うのはこの部分である)、コピー用紙の芯で叩くといったもののほか、車に傷をつける、女性に性的メールを送らせるといった陰湿なものもあったそうである。臨時に有給休暇を与えてほとぼりを冷まして済ませるような事件ではない。被害に遭った教員氏の刑事告訴もあってしかるべきであり(但し、刑事事件になるかどうかは微妙な気がする。教育界は、事実上、治外法権で守られているという印象がある)、こんな教師たちに、密かに他校に異動して教員を続けられたのでは、生徒も保護者も戦慄ものだろう。何度も繰り返し書いてきたが、教育改革は我が国の喫緊の課題なのである。



にほんブログ村 政治ブログ 保守へ
にほんブログ村

ブログランキング参加中です。よろしければ応援クリックをお願いいたします!

台湾人の日本国籍を認めるべきか

 産経新聞によると、台湾人の男性3人が、日本政府に日本国籍を有していることの確認を求める訴訟を大阪地裁に起こすそうだ。日本の台湾統治時代に生まれた人たちで、つまりは元日本人である。

 

 同記事には「日本政府は、昭和27年4月のサンフランシスコ平和条約発効をもって台湾などの領土権を放棄。また3712月の最高裁判例は、27年8月の日本と中華民国(台湾)との間の日華平和条約発効により、台湾系日本人は日本籍を喪失した、としている」とある。この記事を読む限りでは、「なるほど」とか「そうだろうな」ということになるし、日本の国籍法は二重国籍を認めていないから、件の三氏が台湾国籍を選択した(させられた?)以上、日本国籍は失っていると考えられる。

 

しかし、法律談義はさておき、話はそう単純ではないようである。そこで、この問題を考えてみようと思うが、私は法学部出身だが冷酷ではないし、「必要の前に法はない」という考えも持っているから、些か厄介である。このブログは突っ込みどころ満載になると思うが、読んでくださる方は、あらかじめその点をご承知おきいただきたい。

 

 さて、記事の引用ばかりで恐縮だが、同記事によると「原告側は『何人もほしいままに国籍を奪われない』とした国連の世界人権宣言などに照らし、『本人の同意なしに国籍を剥奪されることはない』と主張。『今も生まれたときと変わらない日本人であり、日本国籍を持ち続けているといわざるを得ない』と訴えている。

 原告側代理人の徳永信一弁護士(大阪弁護士会)は『これまで国は戦後、中国との関係に遠慮して台湾の現実に目をそむけ続けてきた。今回の訴訟は切実な人権問題。日本人のアイデンティティーを持つ人の声に真摯に耳を傾けるべきだ』と話している」とのことである。

 

 で、有り体に言えば、この訴訟の結論は最初から見えているような気がする。裁判というのは人間味のないものであり、特にシナが絡むとどうにもならない。原告代理人の徳永弁護士が主張するように、「これまで国は戦後、中国との関係に遠慮して台湾の現実に目をそむけ続けてきた」のであり、それは今も変わらない。また、法律云々以前に、台湾人には冷淡であるという印象が強く、台湾人に対する人種差別意識が強いのではないかと思ってしまう。NHKに対する1万人訴訟などはその典型だったのではないだろうか。もっとも、裁判所はシナだけでなくNHKにも遠慮しているから、1万人訴訟は、台湾人に対する差別と言うより、NHKに遠慮したものだったのだろう。

 

それはさておき、この訴訟は「日本の国籍法は二重国籍を認めていない。日華条約で台湾人は日本国籍を失った」と、あっさりと結論付けるのではないかと思われる。原告や代理人弁護士は、日本の裁判所を信頼し過ぎているのではないだろうか。ちなみに、私は、特権的身分に胡坐をかいて、シナ・台湾・韓国などに関して滅茶苦茶な判決を言い渡す日本の裁判所(裁判官)を、全く信用していない。裁判で敗訴した側の人が、メディアのカメラに向けて「不当判決」と書かれた紙を掲げるシーンは少なくないが、あながち間違いではないケースが少なくないと思っている。

 

 ところで、話は少しずれるが、私が台湾問題に関心を持ったのは、それほど昔のことではない。10年ぐらい前に、母校である早稲田大学の大隈講堂で開催された「台湾シンポジューム」を聴きに行ったことがきっかけだった(平沼赳夫議員や金美齢女史がパネラーを務め、許世楷氏の講演などもあった)。以来、様々な人々の著作を読んで台湾問題に関する知識を得たが、戦争や国家の栄枯盛衰に翻弄される人々の悲哀を知ることにもなった。今回の訴訟も同一線上にあるように思えるので、心情的には原告の三氏に共感するところは多く、日本人として台湾人に対する負い目のようなものも感じる。

 

 不思議なことに、日本の政治家や官僚や学者は、韓国人にはすぐに共感するし、負い目も感じるらしい。だから、日本は韓国に数十年にわたり頭が上がらなかったし、資金も技術も惜しげもなく注ぎ込んで韓国人を増長させてきた。結果、出来上がったのが捏造と強請りが国策のような韓国である。一方、なぜか台湾には極度に冷淡である。かつて、台湾で2.28事件(国民党による本省人の虐殺事件)が起こったとき、日本は台湾人を見捨てた。もちろん、敗戦後のことだから日本軍が救援に行けるはずはなかったのだが、台湾人は日本に裏切られたと思ったらしい。また、日本がシナと国交を回復すると、台湾との国交を断絶し、このときもまた「日本に裏切られた」という印象を与えたらしい。にもかかわらず、現在に至るまで台湾は世界一の親日国と言われているが、日本政府は反日大国の韓国やシナには親和的で(安倍政権は唯一の例外である)、日本の生命線とも言える台湾には冷淡である。産経新聞を除くマスメディアも同様だが、この点は裁判所も変わらないだろう。安倍首相も蔡英文総統のツイッターによる呼びかけを無視している。

 

 かなり感情的になったが、そういうわけで現在の日本の状況、国籍法等から考える限り、裁判の結果は目に見えていると思われる。してみると、件の三氏は台湾国籍(中華民国籍と言うべきか)を棄てて、日本に帰化するしかないように思うのだが、先祖の国籍を離脱して日本国籍だけになるのは憚られるという心情があるのかもしれない。日本人の私としては「どうぞ日本に帰化してください」と言いたいところだが、これは些か僭越あるいは無神経な発言なのかもしれない。

 

 余談だが、台湾人の中には中華民国を認めない人々も少なくないらしい。中華民国こそ台湾を侵略した国家であるという認識だろうか(2.28事件を体験した世代はそうかもしれない)。そういう人々は、青天白日満地紅旗を国旗と認めず、台湾が描かれた旗を国旗としているそうだが、その旗は、台湾が日章旗の中心に描かれているそうである。



にほんブログ村 政治ブログ 保守へ
にほんブログ村

ブログランキング参加中です。よろしければ応援クリックをお願いいたします!
記事検索
プロフィール

熱血親父

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ