神戸市立東須磨小学校の教員4人が、後輩の教員にいじめを繰り返していた事件が世間を騒がせている。というより戦慄させていると言うべきか。生徒間ではなく教員間のいじめということもあるが、その過激な現場が動画に撮影されて拡散されたことで、より世間の耳目を集めることになったのだろう。いじめ自体も猟奇的な印象だが、動画の拡散は、外食店で悪さをして、その動画を投稿して喜ぶ悪ガキの行為と同様のもので、教員たちがやっていたことで、いよいよ猟奇的な印象を与えるようになったのだろう。
件の事件は、一人の女帝教員とその取り巻きである3人の男性教員の仕業だそうだが、中国の文化大革命末期に暗躍した4人組を連想させるような構成である。4人がどのような関係だったのかは不明だが、女帝教員は4人組の中だけではなく、全教員のリーダー的存在だったらしい。しかも、優秀な教員として先代校長が引き抜いた人材だというから恐れ入る。彼らは、いじめの理由として「自分が面白ければよかった」「それほど嫌がっているとは思わなかった」などと言っているそうだが、もし、ベトナム戦争のような戦争に従軍したら、韓国軍の兵士たちのように虐殺や強姦を楽しむことだろう。要するに、生まれながらのサディストであるという印象を免れないのである。いじめ動画を撮影して喜ぶだけでなく、いじめにより快感を味わっていたことを、面白可笑しく生徒たちに言って聴かせていたそうである。おまけに、女帝教員は生徒たちに「反抗して(被害教員の)学級をつぶしたれ」などと言っていたそうだから、私の想像もあながち的外れではないと思われる。
ちなみに、ネット上では現在の校長に対する非難も多い。それもそのはずで、校長は、見るに見かねた同僚教員たちの報告を聴きながら、4人組に口頭で注意しただけで済ませ、教育委員会には「教員間のトラブルがあったが解決した」と報告していたそうである。要するに事件を隠蔽したのであり、いじめは被害教員が休職するまで続けられていたそうだから、校長も共犯だとの非難も可能なように思われる。なお、女帝教員を恐れる余り、しばらくは傍観していた同僚教員たちも処罰すべきだという意見がネット上にあるが、これはさすがに無理だろう。もちろん道義的に非難することは可能だが、法的処罰の対象にはできないだろうし、すべきでもないと思われる。同僚教員たちに被害教員に対する保護責任があるわけではなく、おそらくは報告義務を定めたルールもないだろう。本人たちが恐れたとおり、報告したがために自分たちがいじめの対象になっていたのかもしれないのである(女帝教員がいじめのターゲットを決定していたそうだ)。教育現場はまるで伏魔殿であり、生徒間のいじめや被害生徒の自殺が後を絶たないのも頷けるところである。
今回の事件は、被害教員にとっては極めて悲惨な事件であり同情の念を禁じ得ないが、教育現場の荒廃や教員の実態を広く世間に知らしめた点だけは怪我の功名かもしれない。日本では、教職=聖職のような発想は根強く残っているようで、パワハラ教員やセクハラ教員の実態に無意識に目をつぶってきたフシがあるからである。不祥事があっても、問題教員に臨時の有給休暇を与えてほとぼりを冷まし、何食わぬ顔で他校へ異動させることで幕を引くという悪習が続いていたように思う。今回の事件も、本来ならそのような経緯を辿るはずだったのだろうが、これだけ注目されると無罪放免に近い処分では済まなくなりそうな気がする。教育現場の闇を暴くきっかけになれば幸いである。もっとも、第三者だからこそ言えるお気楽な感想には違いないのだが。
ところで、このブログでは、今までもいじめ問題を取り上げてきた。その中で、教育現場の荒廃は教員の劣化であることを論じてきた。そして、教育現場におけるいじめは、教員が始めたものであるということも繰り返し論じてきた。仄聞するところでは、その昔、自衛隊を目の敵にする左翼教員は、クラスに自衛隊員の子弟がいると、「あの子の父親は人殺しだ」などと言って、他の生徒たちの前で公然と非難したそうである。そして、教室で立たせたままにして、自衛隊員の子供はいじめても良いという雰囲気をつくっていたそうである。YouTubeの動画にそういう子供だったという投稿者の動画があったが(真偽のほどは不明だが、おそらく真実だろうと思う)、その投稿者氏が小学生時代の話で、給食当番のときに先生の分を盛り付けて持って行ったら、「人殺しの子が盛り付けたものが食えるか!」と罵倒されたそうである。かつてはそういう教員がいたという話も、今回の事件を知れば、ありそうな話だと納得できるのではないだろうか。なお、後年の東日本大震災のとき、件の教員も被災し、避難所で自衛隊員の給仕による食事をしていたそうである。その現場に居合わせた投稿者氏が、子供の頃の恨みつらみと、自衛隊員の子であることを誇りにしている旨を満座の中で言ってやったら、その教員は村八分になったそうである。
で、クドクドと思いつくことを書き連ねてきたが、今回の4人組には何としても厳しい処分を下してほしいと切に思う。メディアはいじめと軽く書くが、その実態は、激辛カレーを目にこすり付ける(普通の日本人には、ここまでできないと思う。私が猟奇的と思うのはこの部分である)、コピー用紙の芯で叩くといったもののほか、車に傷をつける、女性に性的メールを送らせるといった陰湿なものもあったそうである。臨時に有給休暇を与えてほとぼりを冷まして済ませるような事件ではない。被害に遭った教員氏の刑事告訴もあってしかるべきであり(但し、刑事事件になるかどうかは微妙な気がする。教育界は、事実上、治外法権で守られているという印象がある)、こんな教師たちに、密かに他校に異動して教員を続けられたのでは、生徒も保護者も戦慄ものだろう。何度も繰り返し書いてきたが、教育改革は我が国の喫緊の課題なのである。
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