投稿はずいぶん久しぶりである。昨今の世相はというと、世界最悪の反日国である韓国が、国を挙げて反日活動を続けながら、ヌケヌケと日本の友邦を気取っているのは業腹だが、安倍政権が漸く真っ当な対応を始めたような印象である。そういう時代風潮の中で、もはやブログを書き続ける必要性は乏しくなったと思っていたのだが、世の中には不条理なこと・理不尽なことはいくらでもある。今日は、とある旅館のことで不快になり、指が猛然とキーボードを叩き始める事態になった。

 

 実は、この4月からアキレス腱の故障で松葉杖を常用する生活を続けているのだが、あと3カ月もすれば回復するのではないかという期待から、10月末を目途に温泉宿の予約をしようと思い立った。そこで、宿の検索サイトにより群馬県の温泉地で宿探しをした。私は群馬県出身だから、いわば庭のようなところだが、日頃は余り行かない地域に行ってみようかと思い、目的地を四万温泉に絞ってみた。20年ほど前に社員旅行で行ったことはあるのだが、今回は個人旅行なので、クチコミ情報などを頼りに候補を絞っていった。

 

 で、豊島屋ほか3軒ほどの宿が目に留まり、その中から選ぼうと思ってクチコミを詳しく読んだのだが、その豊島屋のクチコミでとんでもない書き込みを見てしまった。と言っても、宿泊者が書き込んだクチコミではない。宿の返信書き込みなのである。

 

 特に驚いたのは、豊島屋では幼児の泣き声はもちろん、足音などで隣室や階下の宿泊客から苦情が出たら、その苦情を言った人の宿泊料を、苦情を言われた人が負担するのだという。それが豊島屋のルールであり、他人に損害を与えた人がその損害を賠償するのは、社会通念上の常識だと言うのである。そして、損害の発生の有無は、専ら相手の一存で決まるとのことである。この豊島屋のルールでは、日本の法律も裁判所も執行官も無用の存在である。とても法治国家である日本の温泉地の話とは思えない。国民情緒法とやらがあるどこかの国の話のようである。

 

 確かに、日本の不法行為法(民法第709条~)には、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」という規定がある。しかし、言うまでもないことだが、不法行為により発生した損害を加害者に賠償させるには裁判が必要である。被害者は、相手の不法行為、損害の発生、行為と損害との因果関係などを主張・立証しなければならない。そうして確定判決(または仮執行宣言付き判決)を得て、漸く正当に賠償の支払いを請求できる。相手が支払わなければ強制執行手続きをして支払わせることになる。これが日本のような法治国家の手続きである。個人が勝手に判決を下し、勝手に取り立てることができるわけではない(自力救済の禁止)。

 

 しかし、豊島屋では裁判などは無用らしい。「不快な思いをした」「損害を受けた」と主張する宿泊者がいれば、加害者として指名された宿泊者は、その相手の宿泊費を支払わなければならないことになっているそうだ。まるで大東亜戦争直後にアジア各地で行われた指差し裁判である。しかも、相手は被害者兼検察官兼裁判官であるらしい。そして豊島屋の主人は執行官ということなのだろうか。私には、この自主ルールは社会通念上の常識どころか、「ヤクザ社会の話」か、あるいは「北斗の拳の世界の話」にしか思えない。クチコミに対してこういう返信を書き込まれた宿泊者は、さぞや驚いたことだろう。

 

 ちなみに、昨年、同じ群馬県の老神温泉に行き、定宿にしている旅館に泊まったところ、連休の繁忙日だったため、食事のときに赤ちゃん連れの家族の隣の席になった。当然のことながら相当に賑やかだったので、食後に部屋に戻るとき、旅館の若旦那らしい人が謝罪に来た。もちろん「宿泊費はあの家族に支払わせます」とは言わなかった(笑)。その時、私の妻は「うちも子供が小さいときは同じでした」と言い、私は「赤ん坊は泣くのが商売のようなものだから仕方がないでしょう」と言って済ませた。それが日本の社会通念上の常識というものである。そうでなければ、宿泊客が互いに「不快な思いをさせられた」と主張し、収拾がつかない事態になるだろう。言われるままに支払う人はいないだろうし、力づくで金品を奪えばもはや強盗である。

 

 そもそも、上階の足音が聞こえたり隣室の声が聞こえたりするのは、建物の老朽化や薄壁が原因のはずである。当然、宿泊客は宿に苦情を言うことになる。その責任を免れようとして、このような勝手なルールを定めたのだろうが、余りにも理不尽な話である。客を何だと思っているのだろうか。

 

 また、豊島屋ではクチコミ情報は旅館を褒めるためのものであって、不満点などを書き込むものではないと決めつけているらしい。もちろん、サイト運営会社が事前にクチコミをチェックし、不当な内容と思われるコメントは掲載されないので、情報として有益であろうと判断されたコメントだけが掲載されているのである。しかし、豊島屋ではマイナス評価は一切認めず、徹底的に反論する返信をしているのだが(そういう宿は極めて少ない)、それが余りにも度が過ぎているのである。ときには「名誉棄損だ、業務妨害だ」とまで書いており、ほとんど恫喝ではないかと思われる。

 

 しかも、「損害を被った」と主張する人の独断で相手に賠償させることができるというルールを設定しながら、豊島屋のスタッフが宿泊者を不快にさせても一切損害を賠償しないようである。宿泊料を豊島屋が負担する(つまり無料にする)こともしていないだろう。「経験の浅いスタッフもいるので長い目で見てくれ」で誤魔化している。これは完全なダブル・スタンダードであり、こういった点もどこかの情緒法の国とそっくりである。

 

 大体にして、マイナス評価を書き込むことが名誉棄損・業務妨害だと言うのなら、クチコミ評価欄が存在する意味はないし、書いた人よりも、審査して公開したサイト運営会社に責任があるとも言えそうだが、クチコミの趣旨からいって、それも無理な話だろう。いっそ豊島屋は検索サイトに登録するのを止めれば良いと思うが、それもしないようである。そして、二度と宿泊しないであろう投稿者に恫喝のような返信をし、それを読んだ多くの閲覧者をも豊島屋から遠ざけてしまう。要するに、不利益ばかりで何の益もないことに狂奔しているようにしか見えないのである。

 

 で、なぜ私がこのブログを書こうと思ったかというと、不法行為法や裁判手続きを無視した豊島屋ルールに呆れたこともあるが、余りにも傍迷惑な返信を書き込んでいると思ったからである。というのは、四万温泉にも旅館組合とか女将会といった団体・組織があるだろうから、それなりに情報交換はあると思う。

 にもかかわらず、こうした対応をネット上で公然と続けている宿があるということは、「もしや四万温泉の旅館はどこも同じようなものなのか?」と思えなくもない。
私も「四万温泉に行くのは止めよう」という気になったが、あのクチコミ欄を読んだ人たちの中には、「豊島屋だけは泊まらない」という人が無数にいるだろうし、「四万温泉は酷いところのようだ」と思った人も少なくないのではないだろうか。現に私がその一人なのである。

 

 してみると、宿泊客のクチコミに「名誉棄損だ、業務妨害だ」と当たり散らす豊島屋こそ、四万温泉の他の旅館に対して業務妨害をしているのではないだろうか。私にはそう思えてならない。何も知らずに宿泊し、騒動に巻き込まれた宿泊客がいるのなら気の毒としか言いようがない。それにしても、世の中には酷い旅館があったものである。それも、ほかならぬ群馬県のことなのだから、群馬県出身の私としては非常に残念でならない。



にほんブログ村 政治ブログ 保守へ
にほんブログ村

ブログランキング参加中です。よろしければ応援クリックをお願いいたします!