当たり前の話だが、できたてホヤホヤの「日本未来の党」に対して、私は何の遺恨もない。遺恨はないが、余りにも国民を馬鹿にしているような印象は拭えない。碌に内情も知らないのに、昨日に続いて今日も批判するのは申し訳ないような気がしないでもないが、やはり、どう考えてもおかしいのである。
未来の党は「びわこ宣言」とやらで、もっともらしい政策を掲げているが、外交政策などは、何を言いたいのか分らないというのが正直な感想である。要するに、ド素人が思いつきで作成した宣言であるとしか思えないのである。もともと「脱原発」のみが目的なのだろうと思うが、それでは国政政党とは言えないから、6つの思いつき政策を掲げたのではないのか。で、それに飛びついたのが鳥越氏や稲盛氏だが、「鳥越氏が賛同=日本の不利益」と考えても、間違いは殆どないだろうから、やはり非常に胡散臭いのである。まして、習近平氏のポチである小沢一郎氏が与するとなれば尚更で、親中・反日の臭いがプンプン漂う。
で、「脱原発」であるが(未来の党は「卒原発」と言っている)、要するに、お馬鹿な有権者の受けを狙ったもので、3年前の民主党が掲げた「政権交代」と同じにしか聞こえないのである。今年の流行語大賞になってもおかしくない「脱原発」であるが、有り体に言って、政権に就く可能性がない無責任政党が、その場限りの受けを狙っているとしか思えない。この点、政権に復帰する可能性が高い自民党は、無責任なことは言えないから、真剣にエネルギー政策を考えなければならない。まして、今の総裁は安倍晋三氏である。票を稼ぐために、できもしないことや心にもないことを主張するはずがない。民主党の嘘つき連中とは違い、「あれは単なる努力目標です」などと嘯くような真似はできないのである。それが分かっているからこそ、弱小政党が選挙の争点にしているのである。それが永田町の掟とでも言いたいのだろうが、どこまでも狡猾で汚い輩なのだ。
しかし、よく考えてみよう。いや、原発を廃止したら日本がどうなるのか、考えるまでもないだろう。まず、日常の電力に事欠くようになることは当然である。今、北海道では鉄塔の事故により送電が止まり、多くの道民が凍死の危険に晒されている。原発を廃止したら、それが冬の恒常的な状態になるだろう。地方によっては、電力不足は国民の死に直結するのである。また、生活のあらゆる局面で電力に依存している現代社会では、電力不足が恒常化することを認めることは不可能であろう。まして、電力に依存する製造業は壊滅し、工場はすべて海外に移転させなければならなくなる。日本国民は、専ら海外で働かなければならなくなるわけだ。そして、日本のエネルギー危機こそが反日派の主目的に違いない。日本の侵略を企む近隣諸国に対し、エネルギーで日本の生殺与奪の権を握らせようというのである。
そもそもおかしいではないか。未来のため、子孫のため原発を廃止すると言うが、日本国内だけが原発を廃止しても大した意味はない。チェルノブイリは、遠くヨーロッパはウクライナだが、チェルノブイリの放射能は日本でも検出された。これが韓国や中国の原発事故だったらどうなるか。風向きにもよるが、放射能はすぐに日本にも降り注ぐ距離である。しかも、日本に比べれば中国や韓国の原発は、その設備においても技術においても、著しく劣っているのである。日本がありとあらゆる犠牲を払って原発を廃止しても、隣で原発事故が起これば元の木阿弥になることは明らかだ。したがって、グラスの中だけで理想論をぶち上げても殆ど意味はない。それよりも、原発事故が起きないように、日本が原子力工学のイニシアティブをとり、原発技術を向上させていく方が、遙かに未来のためであり、子孫のためなのである。二度と姑息なマニフェスト詐欺に引っ掛かることなく、冷静に候補者と支持政党を選ばなければならないのである。日本未来の党を選んだら、日本と日本国民に未来はないだろう。
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